BASARA MAINZ

【海外サッカー指導者インターン】2024年5月報告ブログ【鵜飼元哉】

2024.06.24

【海外サッカー指導者インターン】2024年5月報告ブログ【鵜飼元哉】

FC BASARA Mainz 5月振り返り

こんにちは!FC Basara Mainzの鵜飼です!
5月の活動について振り返りたいと思います。

ドイツ6部リーグと9部リーグの違い

5月はTOPチームと2ndチームに帯同して活動を行いました。
2月〜4月は2ndチームをメインで活動を行っていましたが、5月はTOPチームの活動にも参加しました。
TOPチームに参加をして率直に感じた印象としては、

・速い
・大きい
・逞しい

この3つのワードが頭をよぎりました。

TOPチームは現在ドイツの6部リーグで戦っています。ドイツは多くのリーグがあり、下位カテゴリーから上位カテゴリーではプレーの強度やスタイルも大きく変化していると感じています。そのため9部で戦う2ndチームと比較すると何倍も速く、何倍も大きく、何倍も逞しいと感じました。

例えばゴール前での攻撃を想定したトレーニングでは「足だけで守備をする」、「中途半端な位置に立つ」というようなプレーは一切見受けられませんでした。

とにかく、守備の際は身体ごとぶつけて完全に攻撃の芽を潰そうとする、攻撃の際は必ずシュートで終わることのできる立ち位置や要求をするなど、プレーに対する意識や考え方がドイツの上位のチームに似ていると感じました。

また昇格という明確な目標があるからこそ、選手一人一人のプレーに情熱が混じり、チームとしても上位カテゴリーを戦っていくチームとしての雰囲気を感じられました。

さらにトレーニング中にコミュニケーションをとる回数が多いなと感じました。もちろん監督のマルコさんが選手とコミュニケーションをとることはもちろんですが、チームの要である奥田選手を中心に多くの選手がコミュニケーションをとって、自分の描いているビジョンの共有やプレーの振り返りを行なっていることが印象的でした。自分のサッカー人生で、選手としても、指導者としても、審判員としても、過去に様々なチームに携わってきました。

自分にとって好印象だったチームは「常に誰かが何かを発信しているチーム」、「常に誰かが情報をキャッチしようとしているチーム」この2つの要素を必ず持っていました。

BasaraではTOPチーム、2ndチームの両方にこの要素があると感じています。そして現在昇格を狙える立ち位置に位置しているという結果につながっていると感じています。6部で戦うTOPチーム、9部で戦う2ndチーム、それぞれがそれぞれの特徴を活かし、置かれた環境で所属しているリーグで全力を尽くしています

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多くを学んだゴールキーパーライン選手の取得講習

また、5月はGKのライセンスの講習にも参加しました。

「GK大国ドイツ」と言われるこの国ではFCバイエルンのノイアー選手、FCバルセロナのシュテーゲン選手をはじめとした有名なクラブで戦う選手を多く輩出しています。そのため、個人的にこの国でGK理論を学ぶということは世界の最先端に触れていることだと考えています。

Robin Zentner (Mainz, 27, Torwart, goalkeeper) dirigiert die Mauer beim Eckstoß; Eckball, Ecke, Corner

実際に講習内容は驚くものでした。名前は伏せますが、ドイツの象徴と言われるGKの不要論と理由を2時間かけて説明されました。

確かにあの動きは色々な意味で常識を逸脱していますし、普通の選手があのプレーをしたらシュートストップの難易度は逆に上がってしまいます。

次は実技で印象的だったのは「ポジショニング」についてでした。日本でGKライセンスを取得した際はこのテーマは数分で終わりました。それよりもキャッチングなどの基礎技術にフォーカスを向けていました。

しかしドイツではこれに関しては2日間おこなわれました。

さらに日本とは異なり多くの道具や機材を用いてデータ的にも見れるようにしていました。日本では扱われなかった内容や観点も多く含まれておりとても充実した時間でした。GKのライセンスに関しては多くは書くつもりはありません。しかし実際に受けてみるとGKがいかに重要なポジションか、GKの良し悪しで試合が決まると言っても過言ではないということが分かります。
※ちなみに唐突なストライキに遭遇し、田舎なので会場まで2時間かけてスーツケースを引いて歩きました
残念ながらタクシーもありませんでした。山も登りました。

日本人が思う「良さ」は本当なのか?

日常的な面では5月でも寒い日が多いということが個人的には印象的です。寒暖差が激しく、30度近くまで上がって夜には5度以下になるという日もあります。

また公共交通機関で唐突なストライキが発生したり、会社側との問題で駅を意図的に通過したりと公共交通機関の従業員に対する待遇の改善を求めて、多くの労働者が異議を唱えています。

個人的には意見を発信し、誰かがそれを拾い上げてくれる可能性があるのはこの国の良いところだと思います。

日本では「周りに合わせる」ことが美だと習い、その学習カリキュラムで大学まで学び続けます。例えば、幼稚園や保育園を思い出してください。どちらの場所でも「体操座り」や「前ならえ」などを学習してきたと思います。その後小学校では「5分前行動」や「集団行動の基礎」を学びます。そして中学校では「白か黒」や「命令厳守」というような、より自身が集団の中の一人であるということを強調する内容を学びます。

これは日本人の良いところだとは言われていますが、個人的にはそうは思いません。むしろそれが足枷となり「発信力」や「討論力」が低い傾向にあるんだと思っています。

実際に講習会の際のドイツ人の意見の発信力、討論力は目を見張るものがあります。日本では義務教育中に話し合いや討論がクラス内で行われることは滅多になかったと思います。あっても体育大会の競技の選手決めくらいだったと思います。

また我々日本人には話し合いで新たなことを創りあげたり、より良い案を練ることができる能力が他の国の人々と比較すると少しだけ劣っていると感じています。5年後、10年後、日本がさらに国際化し、多くの人々が外国語を使えるようになり、外の世界に触れることができるようになればこの能力はきっと伸びると思います。

5月は様々な観点から多くの発見がありました。
国の教育カリキュラムの根本的な違い、社会や環境が抱える問題に対する人々の問題意識の高さ等というようなものを日常生活を送っていく中で実感しました。

ヨーロッパとアジア、ドイツと日本、比較していく中で多くの良い点や問題点が出てきます。しかし、それらを通して感じたことはサッカーの面ではもちろん、今後自身が人生を送っていく中で大切な感覚になってくると感じました。

来月は昇格できるか、できないかというものが結果として現れます。

日々の生活やトレーニングを大切に、今日より重要な日はないと心に留め、チームに貢献できるようにがんばります!

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