2023.10.12
ドイツカップ1回戦観戦!! ブンデス4部と1部の大きな差から考える
「ドイツカップ」ご存知ですか?ドイツ語では「DFB Pokal」と呼ばれる国内最大級のカップ戦になります。
少し前の話になりますが、8月中旬に観戦に行ったTSVショットマインツ(ドイツ4部)対ドルトムント(ドイツ1部)との一戦から感じたトップレベルとの差を今回はブログにしてみたいと思います。
あくまで外から見た客観的な意見なので、少しでも参考になれば程度で読んでいただけると幸いです。
ドイツにサッカー留学で訪れる多くの若いサッカー選手たちはこのブンデス1部リーグを夢見て渡独します。ですが、その中のまた多くの選手たちがなんとなく1部の選手は「強い」「速い」「大きい」んでしょ?と思っているかと思います。
このなんとなくを具体化することで、より目標に近づけるかと思うので、何が足りないのか、どこに差があるのか、それを埋めるためにどうすればいいのかを考えるきっかけにしてみてください!
目次
そもそもドイツカップとは
そもそもドイツカップとはどのような仕組みなのかを簡単に説明させていただきます。
ドイツでは大きく分けて3つのカップ戦が存在しています。1つは今お話しさせていただいている「DFB Pokal」というものです。1部、2部のチームが参加することができ、優勝チームには欧州リーグへの出場権が与えられます。香川真司選手が所属していたドルトムント、長谷部誠選手、鎌田大地選手が所属していたフランクフルトも優勝を経験しています。
2つ目のカップ戦が3部リーグから8部リーグまでが所属しているアマチュアリーグのカップ戦です。このカップ戦がそれぞれの地域で行われており、このカップ戦で優勝したクラブが次の年のDFBポカール1回戦に出場することができます。3つ目には更にその下である9部リーグから11部リーグまでのカップ戦が存在しています。
DFBポカールの1回戦では、必ずブンデス1部から2部のチームと地域のカップ戦を勝ち上がってきたアマチュアクラブが対戦するようにポッド分けされており、また下位リーグ所属のチームにホームでの試合開催権があるので、もしかすると田舎のアマチュアクラブのホームスタジアムにバイエルンミュンヘンが来ることも?あるかもしれません。
ドイツ4部との差を感じたプレシーズンマッチ
そして昨年その地域のカップ戦を優勝し、DFBポカールの1回戦の出場権を勝ち取ったのが、当時5部リーグ、現在4部リーグに所属している「TSVショットマインツ」です。
そもそも今回このブログを書こうと思いついたのも、このTSVショットマインツとのプレシーズンマッチがスタートになります。
6部リーグに所属しているバサラマインツとのリーグ差は2つ。
その相手に対して「0-8」と大敗しました。内容的にも、フィジカル面、技術面でも圧倒されての敗戦。プロを目指すとドイツにやってきた日本人選手たちも何もできず。
やっぱり4部と6部には大きな差があるなと選手全員が感じた試合だったはずです。もちろんやりようによっては点差はもっと縮められたかと思います。ですがそれでもそもそもの能力の差、は目に見えてあると僕は感じました。
最高の雰囲気の中で試合をする経験
まずはいくつか写真、動画を見ていただいた方が伝わると思うので。
どうですか?
すごいですよね?
この日は2万人以上の来場者がスタジアムを訪れていました。ショットマインツもそれだけの多くの人数を受け入れるために、ブンデス1部リーグのFSVマインツ05のスタジアムを借りるなど準備もかなり大変だったみたいです。
VIPルームでは食事も用意されており、また試合前の更衣室の様子も生中継されていました。
こういった観客の前でプレーするという経験はなかなかできることではありません。この経験を得るチャンスがあるということもドイツでプレーする1つの楽しみかと思います!
外から見て感じた4部リーグと1部リーグの差とは
さてここからが本題です。観客席から見て感じた、ここが違うというポイントを4つ挙げてみました。
書きながら、4部と1部という括りではなく、サッカーのレベルが変わると感じる差でもあるのかなと思いますが、1人のサッカーファンとして感じたポイントです。
ハイライトはこちらからご覧いただけます。
ぜひ1度見てみてください。
https://www.youtube.com/watch?v=LG80ujBcu9o
①ダイナミックな動き
1つ目はダイナミックな動きです。これは画面上で見ていても感じなかったポイントなのですが、1つ1つの動きが大きいなと感じました。
スプリント、ヘディング、スライディング、、。
もちろん身体の大きさも違いますが、それだけではなく1つ1つのプレーが力強い、パワーがある動きに感じました。
フィジカル的な問題なのか、そもそもの体の動かし方の問題なのかは分かりませんが、1番差を感じたポイントです。
②判断スピードが速い
2つ目は判断スピードです。ショットマインツの選手がボールにアタックしてもドルトムントの選手たちはなんともないようにプレーしていました。
これだけ聞くと、「球離れが速い」と思いそうですがそれだけではなく、運ぶべき時は運ぶ、守備の際、前に行くのか後ろに下がるのか、カウンターの時にはどこに誘導したいのか。
これらのアクションに対して的確に、かつ速く判断しているのが、4部の選手たちと比べて明らかに違うなと感じました。
③プレーをキャンセルする
先ほどあげた判断スピードが速いと通ずるポイントだと思いますが、トップレベルに上がればあがるほどプレーを止めることができる思います。
例えばサイドバックの選手にボールが入った際、数的優位か不利かをすぐ判断して、やり直す。
これが意外とできない選手は多いです。
それこそ6部リーグとかになると、数的不利なのにドリブルで仕掛けてしまったり、ペナルティエリア内に選手がいないのにセンタリングを上げてしまったり。
これはテレビ中継を見ていても感じることができるポイントだと思うので、ぜひ意識して見てみてください。
④「サッカー」が上手い
4つ目はサッカーが上手いです。パスをしっかり思ったところに蹴ることができるとか速いスピードで走ることができる。などは出来るのが当たり前のポイントです。
4部の選手でも1部の選手と遜色なくボールを蹴ることができて、走ることができる選手は多くいるかと思います。
では何が違うのか?
「サッカー」というスポーツをうまくプレーできるかどうかがその差になっているかと思います。
言い換えるなら「駆け引き」が上手いです。
個人で見れば1vs1において相手が何を考えているのか、何をされると嫌なのか。
チームで考えると、この時間帯だと何が必要で、目的(ゴールを奪う、守る)を達成するためにどのプレーを選択するべきなのか。
プレー以外で言えば、審判とのコミュニケーションも大事なポイントでしょう。
試合に勝つために、勝負に勝つために。
そのための駆け引きが抜群に上手いのだろうと見ていて感じました。
最後に
ざっとですが、感じたこと、思ったことを挙げてみました。
バサラマインツが0-8で負けた相手が1部のチーム、それもドルトムント相手にどれくらいできるのだろうと興味を持って観戦した結果、、。
こんなにも差があるのか
この一言に尽きます。
ドイツに挑戦しに来る選手たちはそれくらい難しいことに挑戦しているんだと改めて感じてもらえればと思いますし、と同時このチャレンジが出来ている環境に感謝して、全力てやり切ってもらいたいと思います。