2023.11.02
ドイツアマチュアサッカーの給料事情
サッカーは世界中で最も人気のあるスポーツの一つであり、多くの国でプロリーグが存在します。
しかし、サッカーはプロの選手だけが楽しむものではありません。多くの人々がアマチュアサッカーを楽しんでおり、ドイツもその例外ではありません。
今回は、ドイツのアマチュアサッカーに焦点を当て、その給料事情について詳しく探ってみましょう。
ドイツのアマチュアサッカー
ドイツといえば?
ソーセージ!ビール!そしてサッカー!
そんなイメージではありませんか?
世界でいちばんの集客率を誇る国がドイツであり、ヨーロッパ屈指のトップリーグ、プロクラブを抱えているサッカー大国です。
そしてそれはプロレベルだけの話ではありません。ドイツではアマチュアサッカーも大変盛り上がっており、老若男女、国籍問わず多くの方がサッカーを楽しんでいます。
そして今回はその中でもバサラマインツが所属している成人男性の部をメインにお話ししていきたいと思いますが、そもそもドイツでは何部リーグまで存在しているかご存知でしょうか?
実は、、、
11部まであるんです!!
びっくりですよね。その中でも大きく分けると11から6部までがアマチュア、5部4部がセミプロ、3部から1部がドイツ全土で行われるプロリーグということになります。もう少しだけ詳しく説明すると、5部から4部の下位争いをするクラブの多くはアマチュアサッカークラブに分類され、4部でも3部昇格を目指しているクラブはプロクラブとして活動してるのがほとんどです。
ちなみに3部リーグの平均収入は1500万を超えているとか、、。
アマチュア選手と給料
まずはじめに伝えたいことは、「アマチュアサッカー選手はプレーの対価として給料を受け取らない。」ということです。
アマチュアサッカーは、趣味や運動を楽しむためにプレーすることが主な目的であり、多くの選手はプレーに関連する経費を自己負担することが一般的です。
具体的には、アマチュア選手は以下のような経費を考慮しています:
練習用具: スパイクや練習着など、必要な用具は選手自身が購入することが一般的です。
交通費: 試合や練習のために移動する際の交通費(ガソリン代、公共交通機関の切符)は、選手自身が負担します。
クラブ費用: 年会費や登録費用を選手から徴収するクラブが多いです。また選手会の費用なども徴収したりします。
これらの経費はアマチュア選手にとって、サッカーを続けるためにかかる必要なお金となります。給料という形での対価は期待されず、多くのアマチュア選手はその情熱やスポーツを楽しむためにプレーするといった形です。
なのでアマチュアサッカークラブの選手の多くは大学生や、日中は別の仕事をしている人が多く、練習も夜行われるのが一般的です。
それこそバサラマインツで言えば、警察官がセンターバックをやっていたり、学校の先生がコーチを務めていたりしています。
特別な条件での給料支給
一方で、一部の特別なケースではアマチュアサッカー選手に給料が支給されることもあります。
トップアマチュアクラブ: 表現が難しいのですが、各リーグで優勝を目指しているチームはお金をかけて力を入れているチームが多いです。それこそ6部や5部リーグになってくると優勝を目指すチームの中にはプロ契約を結んでいる選手もいたりします。
ここで少し余談ですが、どんな選手がアマチュアリーグでプロ契約(しっかりとした給料)を結べると思いますか?
答えは実績のある選手です。
実績のある選手とは上のリーグでプレーしたことがある選手ということです。たとえばバサラマインツが所属している6部リーグでいえば、5部、4部経験者を獲得しようと思ったらそれなりのお金が必要になります。
では上から落ちてくるしか方法がないのかというとそうではありません。フォワードで言えば、7部や8部で得点王になるくらい多くの得点を稼いだ選手は地元でも有名になります。ということは多くのチームが欲しいと思う選手になるので、そういった選手を獲得しようと思ったらそれなりのお金が必要になります。
地域リーグでの成功: 先日書かせていただいたブログで紹介させていただいたのですが、例えば地域のカップ戦を勝ち上がることでDFBポカールに出場することができます。すると1回戦からブンデス1部リーグや2部リーグのクラブと対戦することができ、放映権や入場者数で多くのお金がチームに入ってくるとこになります。その際特別給与という形で支払われる場合があります。
特別な契約条件: 一部の選手は特別な契約条件で給料を受け取ることがあります。例えば練習に参加することでもらえる練習給や試合に出場、勝利することでもらえる勝利給などです。ですがこれらの支給額は非常に限られており、もちろんそれだけでプロサッカー選手のように生活することはできません。
違った形で支払われる場合も
また必ずしもお金という形で支払われる訳ではありません。
たとえば日本人選手であれば大事な要素である「住居」。
チームによっては外国人選手を受け入れているチームも多く、住居を給与として貸し出しているパターンがあります。
他の例であれば、元プロサッカー選手がアマチュアリーグに落ちてくることがあります。その際仕事の斡旋が大きな条件になっていることがあります。プロの世界で活躍した選手たちが、セカンドキャリアとしてアマチュアサッカーでプレーしながら仕事を始める。
これも1つの形になります。
また同じマインツ地区に本拠地を置くTuSマリエンボーンというチームがあるのですが、ここでは試合後の食事やパーティ代をチームが支払うことで選手が集まっています。一番最初に書きましたがアマチュアサッカーはサッカーを楽しむ場です。なので友達とサッカーをプレーしてその後食事を楽しむ。楽しいから友達を誘って選手が増え、チームが大きくなる。という好循環が生まれています。
終わりに
ドイツのアマチュアサッカーは、趣味やスポーツへの情熱を追求するためにプレーするための場です。
給料を主な収入源とすることは一般的ではなく、多くのアマチュア選手は自己負担でチームに参加しています。
一部の特別なケースでは給料が支給されることもありますが、これは一般的なアマチュア選手には適用されないことを覚えておいてほしいです。
アマチュアサッカーは、ドイツサッカー文化の一部であり、多くの人々が楽しむための機会を提供しています。趣味としての楽しみや地域社会への貢献を重視し、給料を受け取ることが主要な目的ではないのです。