2023.01.19
ドイツサッカーに挑戦するという事
日本人選手も多く在籍するドイツブンデスリーガに挑戦したい、という若者が毎年多くドイツにやって来ています。そのほとんどが、日本でプロサッカー選手としてのキャリアを歩んだ事はなく、それでも自身の可能性を信じ、9043kmも離れた地で日々奮闘しています。
「日本でもプロになれなかった選手達が、ドイツでプロになるなんて不可能じゃないのか?」
多くの人がこの様な疑問を持つと思います。
FCバサラマインツでプレーしていた選手を例に挙げると、2021/2022シーズンに在籍していた岡田怜という選手は、2022/2023シーズンからVfBシュトゥットガルトU21(セカンドチーム)でプロサッカー選手としてプレーしています。彼は日本大学藤沢高等学校を卒業後にドイツへのチャレンジを決意し、セカンドチームではあるものの、ブンデスリーガの予備軍チームで奮闘しています。
フォルトゥナ・デュッセルドルフ(ブンデスリーガ2部)には内野貴史というジェフユナイテッド市原・千葉のU18出身の選手が在籍しています。彼はまさにアメリカンドリームというべきステップアップをドイツで果たした選手で、U19ブンデスリーガ→4部リーグ→デュッセルドルフセカンドと着実に階段を上がり、今季デュッセルドルフのトップチームでプロ契約を勝ち取っています。
この様に日本でのプロ経験なく、ドイツでプロ契約を勝ち取る選手は確かに存在しています。
ただドイツにやって来る選手達全員が自分のサッカー選手としての可能性を疑わずにやまない、というわけではなく、もしかすると自分にはそもそもサッカー選手としての素質がないのでは?という不安と闘いながらドイツで生活している選手達も多く存在します。
そしてその挑戦者の多くが、自身が掲げた目標を達成する事なく、ドイツでの挑戦を終える事も事実です。
それでも私はドイツに挑戦をしに来ることに意味はあるのか?という問いに対してはYESと答えます。日本でプロサッカー選手になれないと分かった時点で学業に専念したり、就職をするという選択肢も正しいと思う反面、選手が一所懸命になって成し遂げたいという夢や目標にチャレンジしきる、という事も間違いではないと考えています。例え結果が伴わなかったとしても。人生の中でサッカー以外でも目標に到達出来ない事は多々あります。どんなに頑張っても全てが上手くいくわけではない、という事を学び、何かに全力で挑戦したという大きな経験を得る事は、長い人生の中で大きな財産になります。サッカーで勝者と敗者がいるように、失敗も成功と同様に受け入れなければなりません。
物事に全力で取り組み、結果を受け入れるという姿勢は、選手達がプロサッカー選手になるという目標を達成する上でもとても重要なものです。
FCバサラマインツは選手達が日々成長出来るように、そして選手達の目標達成に向けて、環境作りと選手育成をしています。
目次
サッカー留学という枠に収まってはいけない
最近では海外へのサッカー留学もどんどんとハードルが下がり、本当に多くの日本人選手が海外に渡航しています。
「留学」という言葉を調べると、留学とは言葉の通り、留まり学ぶ、という意味で、自国以外の国に在留して学術・技芸を学ぶ事、とあります。
この学ぶ、という姿勢はとても立派なものだと思います。ただ多くの留学生はこの学びを力にして、海外でプロ契約を勝ち取る、という攻めの姿勢ではないケースが多いと感じます。
ほとんどの場合、海外のサッカー、言語、文化に触れるものの、インプットだけに終わってしまい、現地の人々といい関係が作れずに、海外でのサッカーに適応出来ずにいます。
この問題には海外にチャレンジをしに行く選手達の多くが1~2年間という短期決戦で目標達成を目指しているという事が関わっていると思います。
ただでさえ大きく環境を変え、言葉もサッカーのスタイルも違う国でのチャレンジには、その環境に慣れ、適応する為に「時間」が必要になります。
1~2年という短期ではなく、3~5年という中長期的に目標到達を目指すプランが出来れば、その国でしっかりと地に足をつけてサッカー選手として、そして人としても成長する事が出来ます。
留学という枠にはまり、何かを学ぶ、という姿勢だけに留まらず、目標達成の為に本当の意味で現地で生きる。このメンタリティを選手達には伝えたいです。
サッカーを職業にするという事
これは自身の経験なので、全ての選手に当てはまるわけではありませんが、私の場合はドイツで夢見たサッカー選手として飯が食っていけるようになってからの方が辛い時期が多かったです。
もちろんそれは選手として結果が出なかった事が一番の原因ですが、当時はサッカーを全く楽しめませんでした。
サッカーが職業になった事で、結果を出さなければいけないというプレッシャーが大きくなり、ミスを恐れてサッカーをする自分がそこにはいました。
振り返ると、プロサッカー選手に憧れて、日々泥にまみれていたあの頃の方がキラキラしていたなと思います。
私自身がその様な経験をした事から、ドイツでその目標に挑戦している選手達には、プロになる前からしっかりとサッカーを職業にする事の準備をしてほしいと思っています。
サッカーで結果を出せばステップアップ出来るという事に間違いはありませんが、その考えだけでは単発の成功に終わる事も多く、積み重ねがされていない事でサッカー人生のみならず、その後の社会人生活で活きるスキルを身に付けづらいと感じています。
目標に向かう過程で、何にフォーカスし、どの様な成果を上げていかなければならないのか?
1日1日を無駄にせず、前進していく事で長くサッカーを職業にする事が可能になります。
なぜFCバサラマインツなのか?
ドイツにやってくる日本人サッカー選手のサポートを長年する中で、選手達が1年目からドイツのクラブに入り、そこで結果を出してステップアップをしていくという形よりも、より良い形を作れないか?と発足したのがFCバサラマインツです。
個人差はありますが、ドイツに来てから本当の力をピッチ上で表現出来るまでには時間がかかります。早く適応出来る選手で3ヶ月、長ければ1年ほどかかってしまう事もあります。この適応にかかる時間を短縮するにあたり、何をするべきか?という部分のアプローチを、バサラは選手達との日々のコミュニケーションの中で行っています。
毎シーズン、バサラからは多くの日本人選手がセミプロリーグに所属するクラブへ移籍していく事もあり、バサラに所属する選手達は多くのクラブの指導者やスカウトから注目されています。ほとんどのクラブが自チームの戦力を保持したい=主力選手ほど移籍させたくない、という常識の逆をいくバサラは、主力選手をどんどんプロカテゴリーのチームに移籍させる事で、新たな野心ある若手選手を獲得出来る、というコンセプトで活動しています。
またバサラでは選手達がクラブに所属している1年間の間に、サッカーだけではなく、自立してドイツで生活していける力をつけてもらうべく指導を行っています。
ドイツでしっかりと地に足をつけてプロサッカー選手になるという目標を目指してもらう為に、私生活面でのアプローチは必須で、語学(ドイツ語/英語)の習得や、ドイツ企業での職業研修なども選手達に求めています。
2021/2022シーズンにFCバサラマインツでプレーしていた岡田怜がVfBシュトゥットガルトU21で契約を勝ち取った様に、今後も多くの選手がバサラを通してプロクラブへと移籍していく事になっていきます。
このクラブで野心ある選手達と、同じ目標を持ち、日々全力で挑戦出来る事をバサラは楽しみにしています。
バサラマインツでは海外で挑戦した選手、指導者、スタッフを随時募集しております。お気軽にお問い合わせください。