BASARA MAINZ

ドイツサッカー2年目のシーズンへ〜小柳孝輔〜

2022.08.04

ドイツサッカー2年目のシーズンへ〜小柳孝輔〜

こんにちは。GKの小柳です。
昨シーズンはバサラマインツを応援していただきありがとうございました。自分個人としてはセカンドチームでの出場がほとんどでしたが、10部リーグ優勝と9部リーグ昇格を果たすことができました。セカンドチームでですが、1年を通して試合に出続けられたこと、優勝、昇格を経験できたことは間違いなく自分の成長に繋がったと思います。

10部リーグ優勝を決めた直後

そして、新シーズンもバサラでプレーさせてもらえることになりました。
前回のブログではまだチームが決まっていないと書きましたが、そこから更に考え、話をし、今シーズンもバサラでプレーすること決断しました。

他人事をやめて、チームの一員に

昨シーズンはトップチームに全然絡むことができませんでした。そこはかなり悔しい点でした。GKは本当に難しいポジションだなと改めて感じましたが、それ以前に、正直、前期シーズンはお客様感覚がまだあったと思います。お客様感覚というのは、どこかチームの一員になりきれない、積極的にチームのために行動できていないということなのですが、山下監督や奥田コーチ、去年一緒にプレーしていた馬場選手と話したりすることで、その部分を変えていかないと、この先個人としてもレベルアップすることはないなと感じるようになっていきました。

なので後期シーズンからは特にチームの練習の雰囲気を気にするようになり、自分達で雰囲気を作っていくんだと思うようになりました。またこのお客様感覚が抜けないまま、シーズンを終えたら後悔するなとも思いました。

当初から山下監督、奥田コーチにはもっと他人に興味を持つように言われていて、具体的には「サッカーはチームスポーツであって、味方の特徴を理解することや、相手が何を考えているのかを知るのが大事。」「他人に興味を持つことはサッカーにも繋がってくると思う。」といったことをよく言われます。その部分が自分は圧倒的に欠落していました。未だに言われますが、真摯に受け止めて、試みています。

刺激しあえる仲間の存在

馬場選手は年明けの後期シーズンから大きく変化した選手でした。変化していくと同時にチームにとって欠かせない存在へと成長していっているのが目に見てわかりました。

後期から馬場選手とはよく一緒に帰ったり、色んなカテゴリーの試合を見に行くことが多く、練習や試合のことをたくさん話をするようになりました。その中でチームのこと、選手のことをよく見ているなとすごく感じました。そして、声やプレー、気迫でチームを盛り上げる姿勢を見て、見習おうと思いました。

そこで、練習中から自分が休憩のときに自分の振り返りだけをするのではなく、プレーしている人たちを見るようにしたり、味方の良いプレーだったりを褒めたり、盛り上げることを心がけました。チームとして良い状態で週末の試合を迎えられるようにという思いを持って、取り組みました。

また味方の性格やプレーの特徴を改めて一度整理したり、ドイツでは一人一人と握手しながら挨拶をするのですが、その際にその人の名前も言うことも心がけました。名前を言うのは意味があるのかはわかりませんが、自分がされて心地良かったので、コミュニケーションをより良くしやすくするために始めました。

現時点では個人的に、人の変化もそうですが、チームとしての事務的なことに気づける能力の方が上がったかなと思います。まだまだ足りないと思うので、さらに意識して取り組んでいきたいですし、ピッチ上に繋げていきたいです。

悔しさを糧に

後期シーズン、徐々に自分の向上を感じれた頃にチームメイトやチームスタッフから「コースケは良いけど、身長がね…」と言われることが増えました。身長の部分はずっと言われ続けていることなのですが、ドイツに来てからはもっと言われますし、感じます。自分のプレーを見たこともない人に、「君は小さすぎる」と何回も言われてしまうこともありますが、落ち込むどころか、これが逆にエネルギーになっています。なぜなら「身長がないけど、絶対に使った方が良い」と言わせたいと思っているからです。

ですが実際に「小さいけど絶対に出した方が良い」となるには、まず、ゴールを守ることが必要最低条件で、それに加えて他のGKにはないものを見せていく必要があります。そのためにGKの技術、頭や動作スピード、身体能力、サッカーの理解度を高める必要があり、そして足元の部分が特に大事だと思っていて、この足元の部分での差別化を図った方が良いと監督やコーチからは言われています。なので今シーズンは足元の部分にももっと向き合っていきたいと思います。

日々成長のために練習に取り組む

技術的な面以外で言えば、あとは統率力の部分です。チームを後ろから支えられる存在。それはプレーやサッカーの理解はもちろんのこと、言語能力や日々の振る舞い、仲間からの信頼、コミュニケーション能力でその力はついてくると思います。信頼関係はコミュニケーションから生まれるものと考えていて、それは他人に興味を持つという部分からも大いに繋がっています。バサラ2年目ということもあり、そこは昨シーズンより構築しやすい部分でもあると思うので、より積極的に取り組んでいきたいです。

2年目からはキャプテンマークも任せてもらえるように

ブッフォンを育てたGKコーチの元へ

そんな昨シーズンを踏まえて、夏のオフはイタリアへ1週間、GK練習に参加しにいきました。いつもと違う土地、メンバー、GKコーチの元で行うトレーニングは新鮮でとても良い時間でした。GKにとってどんなことが大事なのかというのを再確認できた良い機会でもありました。

GKコーチのフルゴーニさんと

そのキャンプでまずはドイツとイタリアのGKのタイプみたいなのの違いを感じました。1番わかりやすい部分で言うと、1:1の場面でのアクションです。ドイツの場合、身体を広げて壁を作り“面”で守る選手が多い印象ですが、対してイタリアの場合はGK自ら足元にあるボールに奪いにいき“点”で守る。それに繋がっている練習が多いので、いかに一発でパワーを発揮できるか、というパワー発揮のメニューが多かった印象です。ダイビングでもハイボールでもルーズボールでも、ボールを奪いに行く、“ボールにアタック”するメニューが多く、メディシンボールを使ったり、ジャンプ用のBoxを使ったりして、そこにGKのテクニックを織り交ぜるメニューはほぼ毎日やりました。そういうメニューが多いからか、ドイツより、サイズがあって力強く速く動ける選手が多いなと感じました。(アマチュアレベルでの比較)

また、「こいつはGKをやるために生まれてきたような奴だな。」と思ったGKもいました。まずはサイズ。18歳で190cm超えで、それに加えてしっかりとした基礎技術、柔軟な身のこなし、オーラ。自分がキッカーで対峙した際の、彼の構えや顔つきが一気に変わる姿に迫力を感じ、隙がないなと思いました。練習を見ていて技術やパワーはあるなと感じていましたが、その構えと対峙した時に「こいつはGKをやるために生まれてきた奴だな。」と直感的に思いました。また1週間のGK練習の中で1番リーダーシップを発揮していましたし、練習の合間にボールを拾いにいったり、よく周りを見ている選手でした。当初は新シーズンのチームが決まっていませんでしたが、先日セリエDのチームが決まったそうです。
このイタリアキャンプを通して、たくさんの刺激を受けました。そして、もっともっとうまく強くなりたいと思わされた1週間でした。

イタリアでのGKキャンプにて

ドイツサッカー2年目のシーズンに突入

オフ期間を経て迎えた今シーズン。今シーズンは4部リーグからFelixというGKがバサラに戻ってきました。かなり能力が高い選手です。190cm超えで縦も横もあり、且つ速く動けます。ザ ・GKみたいな見た目です。

GK練習を一緒にしていて、特に感じるのは1つ1つのボールに対してこだわる姿勢です。ゴールを守れる点はもちろんのこと、ゴール前での所作など、それらは他のGKとの違いを感じる点の1つです。そして、キャラもよく、まだ一緒にトレーニングをし始めて1カ月くらいですが、お互いリスペクトし合えていると感じています。

Felixの他にもTobiの跳躍力や1:1ストップ、Chrisの身体を伸ばし切った際のパワーなど、毎回の練習や試合で全GKから盗めるところは盗んでいきたいと思って取り組んでいます。
こういった素晴らしい仲間たちと一緒に行う練習や試合の中で、吸収しトライできている部分もあるので、そこは1年後に自分がどんなゴールキーピングができているのかという点で、非常に楽しみです。

新シーズン向けて

自分としては今シーズンも過酷なポジション争いだと思いますが、より高いレベルで競争ができると思います。まずはもっともっと脅かせる存在になっていきます

今シーズンはトップにもっと絡んでいきたいですし、チームの結果やそれ以外でも貢献していきたいです。もっと周りを見て、ピッチ内外でチームにとってプラスになるように行動していきたいです。人としても、選手としても昨シーズンより成長したなと断言できるシーズンにして、上へ繋げていきます。

最後まで読んで頂きありがとうございました。
今シーズンも応援、よろしくお願いします。

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