2022.09.01
選んだ道を成功にする〜奥野貴大〜
こんにちは!
FV Bad Vilbel (5部)から移籍して来ました。
DF奥野貴大です。
FC Basara Mainz でプレーするのは2年ぶりになります。
再加入してから初めてのブログになるので、僕のサッカー歴やドイツに来た理由、5部リーグでプレーしてみて、今後の展望等話したいと思います。
長くなってしまいますが、最後まで読んで頂けたら嬉しいです。
目次
サッカー歴とドイツへの挑戦
サッカーは、2つ上の兄の影響で、7歳の時に始めました。周りの選手や運にも恵まれて、兵庫県選抜や関西選抜に選出してもらい、中学の時は全国ベスト16まで勝ち上がる事が出来ました。
しかし、高校、大学と思うような結果を出す事はできず、大学に関してはベンチ入りすらできませんでした。なので、大学卒業のタイミングでサッカーに区切りをつけるつもりで就職活動を行っていました。
ただ、9月、10月とサッカーの終わりが近くにつれて、何か物凄く惜しい気持ちになりました。その理由は、4回生の時に見た熱気や光景が貴重なモノだったからです。厳しい試合に勝ち、得点した時にはベンチ、スタンド関係なくピッチに駆け出して、喜びを分かち合う。その感覚をまだ感じたいと思うようになりました。但し、サッカーを続けるなら海外に出たいという思いが自分の中であり、当時は大きな勘違いをしていましたが、海外の方が可能性があるのではないかと思っていました。
そんな時に入ってきたのがFc Basara Mainz のセレクションです。
無事、合格通知を受けましたが、行くつもりはありませんでした。就職が決まっていましたし、惜しい気持ちを持ちながら、諦めるつもりでいたからです。
しかし、1日で気持ちが変わりました。大学の先輩に背中を押された事、家族に背中を押された事、そして親友に「安定」と言う言葉を聞かされた事。僕の親友は自分の人生を安くする事を嫌う人間でした。自分の人生の価値を高くする為に今は料理人として、大きな夢を持って生きています。そんな親友を見て、僕はまだ安定するには早いんじゃないか、自分も何か起こせるんじゃないか、2〜3年冒険して、他人に誇れる物語を作るのも悪くないと思いました。自分の中で、自分の人生を「安く定める」。これは何か違うなと思いました。そして最後にあの感覚、見た事がない景色、大勢の観客の入ったスタジアムでプレーしたい、そんな体験、経験をしたくてドイツ行きを決めました。
1年目:ロックダウン
しかし、物事はスムーズに進む訳ではなく、ドイツに来て2ヶ月で世界がコロナによって様々な事が止まってしまいました。僕も一時帰国をし、ある程度コロナが収まったタイミングで再びドイツに戻ってきましたが、4ヶ月程で再び全てが止まってしまいた。
そこから約8ヶ月間、ドイツはロックダウンを制定し、自分もグロインペイン症候群と言う怪我にも悩まされながら、何もない苦しい日々を過ごしました。毎回流れるのはロックダウンの延長。そして、怪我も治っていく感覚がありませんでした。骨折や捻挫などは動かせるようになり痛みが引き、治っていくのが実感できるのですが、クロインペインは少し良くなってはまた痛むの繰り返しで、前に進んでいる感じがしません。だからといって休んだら治る訳でもなく、完治方法が見つかっていない厄介な怪我なのです。治らんない苛立ちと本当に治るかどうかの不安。ロックダウンも本当に終わりが来るのか。毎日のようにそのような事を考えながら、良い方向に進む事を祈っていました。ただ、日本に帰ろうとは思いませんでした。一度帰った事もあり、簡単に帰れないプライドと誰かと約束した訳ではないのですが、「何かを成し遂げてから」、それが自分の中では絶対だったからです。
2年目:初めてのドイツシーズン
そして、去年の6月に様々な事が可能になり、僕も5部リーグに所属するFV Bad Vilbel への移籍を決めました。
ただ、同タイミングで始まった仕事により、試合には先発で出場し続けていましたが、自分を成長させられてはいませでした。週40時間の労働を条件に就労ビザをもらい、仕事とサッカーの日々。先を見据えてではなく、毎週の試合を見据えるようになってしまい、自分を変に正当化させてしまっていました。なので、トレーニング量、強度は甘えたモノになっていました。良くない事はわかっていましたが、変える事ができなかった自分の弱さを知りました。
しかし、悪い事ばかりではなかったです。自分の事を知る事ができましたし、リーグ結果は「降格」になってしまいましたが、残留争いの戦い、連敗した後の1勝の重み、勝つ喜び、改めて再確認する事ができました。5部リーグは戦術を持ったチームもありますが、それ以上に気持ちの部分が多くを締めます。どっちが勝ってもおかしくない試合で結局は一瞬の気持ちで終わってしまうからです。残留争いの中で3試合連続で90分に失点した光景は今でも覚えています。
苦しいシーズンでしたが、ドイツに来て更にサッカーが楽しいなと感じています。
再びBasara で
そして、今シーズン再びBasara でプレーします。出戻り、カテゴリーを落とす、1時間半かけて通う事やビザ関係、多くの葛藤はありました。
ですが、それ以上に成長が止まっている自分、どんな選手目指せば良いのか、環境を変えないといけない、そう思っていました。正直な所、Bad Vilbel で試合に出るのは簡単で、多くの事を要求される訳でもなく、いつも安定したプレーをし続けていました。ただ試合に出ているだけの中身のないような感覚に陥っていました。そして、結果を残せていないので、勿論上からのオファーはなかったです。
Bad Vilbel に残るかBasara に移籍するか、グロインペインの頃にお世話になったトレーナーの方にも話をしました。「選んだ道が正確ではなく、選んだ道を正解にしていく」そのように言って下さいました。Basara に来たから何か見つかる訳ではありませんが、選んだ道を正解にしたい、再び自分を奮い立たせるにはBasara でのプレーがベストだと思い、移籍を決断しました。
加入して数ヶ月が経ちましたが、Bad Vilbel の頃に比べると要求や自分がやりたい事を言うようになりました。以前まで仕方がないで済ます事が多かったですが、それでは守れるモノも守れなくなるし、勝ちも得られません。試合前には隣のポジションと少しでも話し、共通認識、意識付けを行っています。拙いドイツ語ですが、それでも自分の考えを理解してもらい、勝ちに繋げれるように毎回のトレーニング、試合を行っています。
Basara とBad Vilbel を比べるとトレーニングの質はBasara の方が高いと感じています。Bad Vilbel はゲーム形式のトレーニングがほとんどで、細かな戦術トレーニングがありませんでした。Basara はウォーミングアップから頭を使ったトレーニングを取り入れ、戦術面のトレーニングもあります。その他には強度の高いトレーニングが毎回できているのは、自分が求めていた事なので、Basaraを選んで良かったと思っています。
今シーズンの目標
チームとしての目標は勿論5部への昇格です。
Basara はコロナの影響で2シーズン途中中断になり、昨シーズンは1年を終える事ができましたが、6部での戦いは4シーズン目になります。これからBasara に来る選手達の為にも高いステージを用意したいです。
また、上位争いをする事で個人昇格にも繋がると思います。来シーズン5部中位や下位のチームに移籍だと意味がありません。1年前に下した決断より1年後に下す決断が違うモノ、良いモノにしないといけません。4部、あるいは5部で4部を狙えるチーム、これが1年後に実現させたい事です。
そしてもう1つ、昨シーズンからずっとモヤモヤしていた「自分のプレースタイルはこれで良いのか」の答えを明確にしたいです。明確にしてより理想像に近づけていき、次のステップで活きる武器にしたいです。
最後にコロナ終息にはまだ時間が必要です。ですか、体調管理、元気に過ごす事は欠かせません。勿論怪我に対してもです。日本、ドイツに限らず世界の人が健康に生活する事、少しでもコロナが終息に進む事を願っています。
最後までお読み頂きありがとうございます。
Basara そして奥野貴大の今シーズンを少しでも気にかけて頂けたら光栄です。
応援宜しくお願いします!