2021.05.26
ドイツ挑戦1年目が特に大事な理由
1ヶ月ぶりに登場となりました、奥田祐也です。前回書かせていただいた「日本サッカーとドイツサッカーの大きな2つの違い」のブログ記事から約1ヶ月が経過しました。
ドイツではいまだにロックダウンが続いており、グランドにも出られない状態ですが、それでも少しづつ感染者の数も減少してきていて、ちょっとずつですが、先が見えてきたかなと思っています。
さて、今回も「ドイツサッカー」をテーマに書いていきたいと思うのですが、このブログを読んでくれている多くの人は自分もドイツで挑戦したいと思っている方達だと思います。
僕自身はドイツでプロのサッカー選手にはなれませんでしたが、多くの選手を見ていく中で感じた事の一つである「ドイツ挑戦1年目の重要性」について今回はお伝えできればと思います。
もちろんこの記事の内容が全てではないし、あくまで一つの例として参考になればなと思います。
目次
1.リーグにこだわらない
ドイツにサッカーでチャレンジしにくる選手の多くは日本でプロサッカー選手になれなかった人たちだと思います。
ですので基本的には実際にドイツに来てチームの練習に参加してチームが決まっていくわけですが、いくつかのチームの練習に参加して、よく聞くフレーズの一つに、
「もっと上のレベルのチームの練習に参加したい」
です。もちろんそれは悪いことではないと思います。練習参加させてもらったチームが明らかにレベルに合っていなかった、上のレベルを見てみたい等様々な理由があるかと思います。
大事なことはどのチームに決めるのかということです。
本当に多くのアマチュア日本人選手は「どのレベルのチームに所属しているのか」を重要視している傾向にあります。
2.成長することを軸に決断する
ではそもそも日本人選手たちはなんのためにドイツにチャレンジしに来ているのでしょうか?
ほぼ100%の選手たちがドイツでプロサッカー選手になるために渡独しています。言い方は少し厳しいですが、日本でプロサ ッカー選手になることができなかった選手たちが、サッカーの本場ヨーロッパでプロサッカー選手になるということがどれほど難しいか想像できるかと思います。
そしてそのために絶対的に必要なことは「成長する」ということです。
ですので、チームを決める際も、もちろん「レベル」も大事なのですが、特に1年目は「成長できる環境かどうか」を軸にチームを決めることをオススメします。
成長できる環境とはどういうことかというと、ずばり「今の自分のレベルより少し下のチームに入る」です。
なぜそれがいいのかを説明していきます。
3.「王様になる」2つの大きな理由
自信をつけること
日本からドイツへと渡ってきて、自分の周りの環境がガラリと変わることでしょう。言葉も食事もそしてもちろんサッカーの環境もです。
これらの変化は自分が思っているよりも影響が大きく、例えばサッカーで言えば、練習と試合の雰囲気、もっと言えば練習試合と公式戦の雰囲気の違いに戸惑う選手も多いと思います。もっと言えば守備の間合いや求められることも違ってくるでしょう。そんな中で大事なことは、まず「試合に出ること」です。
ドイツでしっかりと試合に出て、「ドイツでもやれるんだ」という自信をつけることがその後の長いサッカー人生を考えた場合、非常に大事になります。
その時に少し下のレベルのチームを選ぶ理由としては、もちろん自分がそのチームで1番上手い選手となるので、主力選手として監督からチームメートからの信頼も厚くなるでしょう。パスは言わずもがな集まってくるでしょうし、もしセットプレーを蹴れるのであれば、任せてもらえるかもしれません。
要はそのチームで王様になることが大事なのです。そうやって徐々にドイツのサッカー、生活環境に慣れていくことで自信がつき、プレーも良くなっていきます。
これがもし、自分がそのチームで試合に出られるかのボーダーライン上、もしくはスタメンで出れる力はないから常にベンチを温めることになるとどうでしょうか。
なかなか試合に出ることができずに、また言葉も喋れないので周りの選手からも冷遇されるかもしれません。
そうやって1シーズンを過ごした選手が結局次のシーズンレベルを下げることになり、無駄に1年間時間をかけてしまう例をいくつも見てきました。
もちろんこういった例が全てではありませんし、レベルの高いチームで徐々に信頼を勝ち取っていき試合に出るということもあるかと思います。
ただドイツ挑戦1年目ということを考えると、「王様になること」が非常に大事だと考えています。
ドイツ語の成長
理由の2つ目として、ドイツ語の成長が挙げられます。
日本人サッカー選手が海外で成功していくためには言語習得は非常に大きな要素となります。
その国の言語を使ってコミュニーケーションを取ることができるかどうかで、周りの選手や監督からの信頼も変わってきますし、意外かもしれませんが、「しっかりとコミュニケーションを取ることができる」ことが自信へとつながり結果としてサッカーのプレーも向上させるのです。
なぜ言語が大事なのかは説明してきましたが、それがチーム選びとどう関係するのか。
例えば初めてドイツのチームに練習参加した場合、その選手が上手いと周りの選手が判断した瞬間から、ドイツ人選手たちはものすごく話しかけてきます。
逆にサッカーができないと判断されてしまうと、やはり相手にされなくなるのです。
サッカーの世界ではどこでもそんなものなのかなと思いますが、日本人よりもその点に関してはより露骨に表れているのかなと思います。
ですので1年目で何もわからない中でも、自分が王様になることで周りの選手は積極的にサポートしてくれますし、遊びになども誘ってくれることでしょう。そういった中で生のドイツ語に触れ、成長していくのです。
まとめ
最初に言いましたが、これが全てではありませんし、正解でもありません。
ただ今まで多くの選手を見てきた中が、傾向として、1年目のチーム選びが大事だと思っているのでお伝えさせていただきました。
今後ドイツにチャレンジしたいと考えている選手にとって少しでも何かの役に立てばと思っています。